エリーゼのために

いつか、また逢おうね

コロナとYニュースと私

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 このところ、とてもモヤモヤしています。
 
 何がかというと、コロナに関することなんですけど、毎日ニュースで流れてくる、今日は東京は●人だった、全国では●人で、大阪も●人を超えて過去最多の報告数になった、これは間違いなく第二波だ、みたいな報道と、私たち市民の反応と、政府の動きと・・・。
 
 専門家ではないので詳しいことはわからないですが、こうして感染報告者数のアップダウンばかりが目立った報道をしてしまうと、みんなで変な方向へ進んでしまうんじゃないかと不安です。それがモヤモヤの原因なのかなぁと。
 
 そんなことを考えながら、Yニュースのユーザコメントを読んでいると、ひたすら「政府ダメじゃん」的なものが大半を占め、私も一市民としては「だよなぁ」と共感する部分もありつつ、こうしたコメントに対してもモヤモヤがあることに気づきます。
 
「このタイミングでGoToなんてけしからん」
「経済優先て言うけど、この状況は自粛が先でしょ」
「感染者数が増えているのに宣言出さないのは意味がわからん」
「政府はどう責任をとる気なのか」
 
 不安や恐怖にかられると誰かのせいにしたくなる気持ちはわかります。目に見えない敵と闘っているわけで、恐ろしいのは私も同じで、ワラをもすがる気持ちになると、“わかりやすい数字”に飛びついて一喜一憂し、判断を誤ってしまうんじゃないかと心配になります。
 
 それで、数字について冷静さを取り戻すべく、そう言えば、交通事故で怪我したり亡くなる人ってどのくらいいるのだろう?とにわかに疑問に思って調べてみると、あらら?
 

f:id:kota-yoshizawa:20200730174613p:plain引用 ◆「くるくら」by JAF

https://jafmate.jp/blog/safety/200107-20.html

 
 コロナはまだ半年だから比較は難しいけど、交通事故で亡くなる人ってたくさんいらっしゃる。いちいち報道はされてないけど。まぁ、それでも、さまざまな人たちが努力してずいぶん減ってきているのも事実みたいですね。亡くなった方一人一人の悲しみは変わらないけど、数字がよくなってきているのは社会としては肯定したいです。あ、それでも数はコロナをかなり大きく上回っていますね。
 
 それと、他にも悲しい方面の話がありますね。言葉にするのも嫌になりますが、自殺者数です。
 
 
 こちらも年々減少してきたことは嬉しいですが、それでも一年で約2万人か・・・。こちらは罹患者数(未遂者)ではなく死者数です。これは大変な数ですね。こちらも普段のニュースではあまり見かけないですね(私だけ?)、かなりヒドい数字ですけど。
 
 いずれも性質の違う死者の数ですし、コロナは目に見えないだけに恐怖が募るので、それだけ感情が高ぶるのもやむを得ない気もします。それでも、社会へのインパクトを考えると、コロナに気を取られ過ぎて他のものが見えなくなってやしないかと自問自答します。これがモヤモヤの原因かもしれません。
 
 私だけが抱えるモヤモヤなのかな?と、ネットで検索してみたら・・・あ、あった。
 
参考 ◆コロナ報道に見る「見える死」と「見えない死」
 
 とても勉強になります。え? でも、検索結果のファーストページにはこの記事だけ? あとは、“コロナ自粛で交通事故が激減”という記事はかなり多いですね(2020年7月30日時点)。え、話題にすべきなのはそっち? 私自身の課題認識に自信が持てなくなりそうです。あぁ、さらにモヤモヤが増えた・・・。
 
 話を戻すと、ネットの調査結果(8割以上が2度目の緊急事態宣言を支持)が示す通りに、経済活動を止めてステイホームを徹底したほうがよいのでしょうか。相手の正体がほとんどわからなかった4月5月は妥当だったと思うのですが、今はどうすれば危険を下げられるのかがかなりわかっている気もします。なるべくマスクして、まめに手を洗って、部屋はときどき換気する。こんな対応だけでも効果があることがわかってきたのだから、それを徹底しながら別の生活も回していくほうが実は総体的には安全なんじゃないかな、なとど思ってしまいます。・・・なんてことをSNSで書くと叱られちゃうのかしら(怖い)。
 
 交通事故を撲滅するために経済活動を止めろとは誰も言いませんよね。外に出なければ交通事故は起きずに年間3000人くらいの命が救えるのに。それより、道路を整備して交通ルールを守っていれば数が抑えられることがわかっていて、それをみんなで守ろうぜ、と言って犠牲者の数を抑えているんですよね。信号や横断歩道を無視して好き勝手に道路を渡る人が多ければ、確実に事故は増え、お作法に従う人が多ければ減ります。私がうっかり見落としていることがあって、これらを並べて語ること自体が論理的にまったくおかしいのでしょうか。
 
 経済か感染予防かの二択ではなく、どっちも捨てられないです。あまりにコロナに偏りすぎて、じわじわと別の悲しい数字に影響を与えるのではないかとヒヤヒヤして、むしろ最近はそのほうが怖くなってきました。私がトンチンカンなことを言っているのでしょうか。というか、純粋に本当のことが知りたいです。
 
 あと、政府の対応に批判的になるのは仕方がないですが、攻撃的になっても物事はよくならないんじゃないかな。誰かになんとかしろ、責任とれって詰め寄っても、そもそも誰も解決策を知らない課題なので進まない気もします。それより「どうしよっか」という姿勢でみんなの知恵とエネルギーを集めて使えたらなぁと思ったりします。「そんなの甘い!」とまた叱られそうですね(怖い)。
 
 最後に、今回のモヤモヤをきっかけに、改めてたくさんのニュース記事を見てみることになった中で、その行間から私が勝手に感じ取ったことについて二つ触れておきたいです。まずは、コロナに対する不安と恐怖の度合いが、私たちが把握している数値と合致していないということ。これはすでに上述の通り。数値だけを見れば、交通事故や自殺だってかなり怖いです。疫学的な感染はないでしょうけど、心理学的にはどうでしょう? 他にも景気の指数とかかなり怖いことになっているはずです。こうしたものがすべてリンクしているとしたら、コロナばかりに関わっているわけにはいきません。
 
 もう一つは、コロナにはワクチンも治療薬もなく目にも見えない敵ですから怖いのは当然ですが・・・、あれ? 交通事故や自殺にもワクチンはないですよね。では何が違うのか。関連記事を見ていると、コロナの恐怖の中心は、病気にかかること自体への恐怖というより、罹患することによって生じる社会からの目(誹謗中傷)であるようなニュアンスの記事も多かった気がします。つまり、その分がかなり上乗せされている。
 
「あいつが罹ったせいで店が休業になった」
「保育園の●●ちゃんのママが罹ったらしいよ、近づいちゃダメよ」
「おまえ、対策してなかったのか、ダメなやつ」
 
 直接本人に向かって放たれる言葉ではありませんが、こうした周囲の人との社会的な関わり合いが脅かされるリスクを気にしているようにも感じられました。やや不謹慎ですが、交通事故で怪我をしてもこんなことは言われません。だとすると、半分くらいは天災ではなく、すでに人災。つまり、人々のマインドセットを変えていくことで軽減できるということです。不安と恐怖が軽減できれば、理性的な判断を取り戻せるんじゃないかなぁ、それが難しいんだろうけど。
 
 普段はこういうことについては書かないんですけど、とても気になってしまい、自分の考えも整理したくて書いてしまいました。報道や政府の発表を見ていても本当のところはよくわからないです。誰か、教えて!